2007年01月28日

『切断の時代―20世紀におけるコラージュの美学と歴史』発刊


 
『切断の時代20世紀におけるコラージュの美学と歴史  
河本真理=著

(京都造形芸術大学比較藝術学研究センター准教授)
 
【発行】ブリュッケ  ISBN  978-4-434-10162-5  
2007125日発売開始 本体8400円(税込)
 


   コラージュが物語る20世紀美術の地平


setsudan.gif コラージュの空間において、破壊的な身振りによって
 立ち現われる 「切断」、「断片化」、「引き裂き」、「間」の
 
問題は、とりわけ興味深い。パウル・クレーは、生涯に
 
わたって、 いったん完成されたと思われた二百以上の
 
作品を、鋏やナイフで切り取った。
 
クレーにとって、鋏は、絵筆と同じように制作に必要な
 
道具だったと言ってよいだろう。
 
クレーは、この元の作品の両側を大きく切り取り、
 
そうして得られた断片を二つとも上下逆さまにし、
 
中央にまさにぽっかり 口を開けたような「間」を残して
 
台紙に貼り付けた。こうした一連の操作の結果、
 
この前例のない新しいコラージュにおいて、
 
抽象的な造形言語と色彩のコントラストがダイナミックに
 
高められ、中央と周縁の位相が反転したのである。
 (カバーテクストより)


 
  20世紀を通じて数多く制作されたコラージュの原理に基づく作品は、
異なる様々な
構成要素の引用と組み合わせから成り、均質な空間を破壊する
不連続性を特徴とする。
作品を「切断」するという破壊的な身振りとあらゆる要素の綜合という、
相反する極の
間を絶え間なく揺れ動くコラージュは、
造形芸術における単なる一技術上の問題を越え、
近代文明の認識そのものを問う
パラダイムとなる。

 本書は、コラージュの展開を従来のように「イズム」毎に記述するのではなく、
しろその機能を三つのテーマ別に論ずる。

  第一部では、理論的な基礎として、キュビスム以降のコラージュの「受容」の
歴史をたどる。

  第二部では、コラージュの断片化、切断の問題を、パウル・クレー、ジャン・アルプ、
ルズワース・ケリーらがいったん完成した作品を切り取り(あるいは破り)、
分割してできた断片を再構成するという、「破壊的‐創造的」方法によって制作した
「分析的コラージュ」に焦点を当てて論ずる。
  第三部では、コラージュにおいて、「断片化」と相反しながら、
且つこれを補う動きである「綜合芸術作品」の試みを、主にクルト・シュヴィッタースの
メルツバウ(メルツ建築)とロバート・ラウシェンバーグにおいて明らかにする。
 
  フランスのパリ第一(パンテオン=ソルボンヌ)大学に提出した博士論文をもとにした、
日本
初のコラージュについての体系的な論考の刊行。

ネット書店へのリンク  → http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4434101625/nagatabi-22

                                           → http://www.bk1.jp/product/02751683?partnerid=02goo04
                                           → http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000031835303&Action_id=121&Action_id=121&Sza_id=GG

posted by makomoto at 23:08 | TrackBack(1) | 書籍紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

この記事へのトラックバック

桃太郎さんの国の備人姉妹???
Excerpt: ●地域に1冊!図書館でアートの輪を広げよう!海外に行くと、子供のころから美術館で絵に慣れ親しみ、スケッチブック片手に名画を模写している姿をよく見かけます。美術館の整備に協力し、真剣に議論する市民達……..
Weblog: 樫山日記
Tracked: 2007-01-26 22:26